釣ったイワナをおいしく塩焼きにするには、焼き方だけでなく、釣れた直後から魚を傷ませないことが重要です。
私が実際に行っている流れは、次のとおりです。
- 釣れたらすぐに締める
- 魚籠に入れ、気温が高い時期は保冷剤で冷やす
- 釣りを終えるときに、エラ・内臓・血合いを取り除く
- 塩を振り、魚が回転しないように串を打つ
- 炭火や焚き火から距離を取り、状態を見ながら焼く
私は長年、渓流で釣ったイワナを自宅のデッキや山の焚き火で焼いてきました。
この記事では、釣れた直後の扱いから、持ち帰り、下処理、塩の振り方、串打ち、炭火・焚き火での焼き方まで、実際に行っている方法を紹介します。

釣ったイワナの塩焼きは、釣れた直後から始まっている
イワナの塩焼きというと、塩の量や焼き時間に目が向きます。
しかし、私が最も大切だと感じているのは、釣れてから焼くまで、できるだけ魚を傷ませないことです。
どれだけ上手に焼いても、長時間ぬるい状態で持ち歩いた魚では、本来のおいしさを十分に味わえません。
私の場合は、朝3時ごろに家を出て渓流へ向かい、午後3時ごろには帰宅します。
その間、釣れた魚をできるだけ早く締め、季節に応じて冷やしながら持ち帰っています。
釣れたイワナはできるだけ早く締める
イワナが釣れたら、まず締めます。
締め方には、エラを切る方法や専用の道具を使う方法などがあります。
私は山へ持っていく道具を増やしたくないため、魚をしっかり持ち、頭部を石へ強く打ち付けて、できるだけ一度で締めています。
イワナはウナギのように滑りやすい魚です。
中途半端に持つと手から抜けてしまうため、私はエラの部分へ指を入れ、魚をしっかり固定してから行います。
魚籠の中で長時間暴れさせるよりも、釣れた直後に素早く締める方を選んでいます。
生きた魚を扱うことに抵抗がある人もいると思いますが、持ち帰って食べる以上、避けて通れない作業です。
春先は魚籠、気温が上がったら保冷剤を使う
締めたイワナは魚籠へ入れます。
私の地域では渓流釣りが解禁になる春先は、朝から午前中にかけてかなり寒く、魚籠へ入れて昼過ぎに帰宅する程度なら、それほど温度が上がらないことがあります。
渓流の周辺に雪が残っていれば、雪を魚籠へ入れることもできます。
しかし、5月を過ぎて気温が上がってくると、魚籠へ入れただけで半日持ち歩くのは不安です。
そこで私は、500g未満の保冷剤を魚籠へ入れていきます。

海の堤防釣りなら、クーラーボックスへ板氷を入れておけます。
一方、渓流釣りでは山の中を長時間歩き、岩や滝を越えることもあります。
保冷力だけを考えて重い氷を持つと、歩く負担が大きくなります。
そのため私は、強力な板氷ではなく、持ち歩ける重さの保冷剤を選んでいます。
私が使っている魚籠は、1,000円もしなかった安価なものです。高性能な保冷機能があるわけではありませんが、底へ保冷剤を入れ、その上へ締めた魚を入れる方法で、午後2時ごろまで持ち歩いています。
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これは私の魚籠、保冷剤、気温、釣行時間での経験であり、安全を保証する時間ではありません。気温、魚籠の性能、釣行時間によって条件は変わるため、魚が十分に冷えていない場合は、無理に持ち帰らない判断も必要です。
釣りを終えるときにエラ・内臓・血合いを取り除く
釣りを終えるときは、魚をまとめて処理します。
私が行っているのは、次の3つです。
- 腹を開いて内臓を取り出す
- エラを取り除く
- 背骨にこびりついた血合いを落とす
血合いは、爪でこするようにして取り除いています。
内臓や血合いが残っていると、時間がたったときに臭みや傷みの原因になりやすいため、できるだけきれいにしてから持ち帰ります。
農林水産省も、魚は冷えた状態を保ち、速やかに内臓を取り除くことを食中毒予防の基本として案内しています。天然の淡水魚には寄生虫がいる可能性もあるため、生では食べず、中心まで十分に加熱します。
山では100円ショップの小型カッターを使う
腹を開く道具として、本格的なナイフを使う人もいます。
しかし、渓流釣りでは、荷物を1gでも軽くしたくなります。
私が使っているのは、100円ショップの小さなカッターです。
イワナの腹を開く程度なら十分で、さびても数年使えます。使えなくなっても買い替えに大きな費用はかかりません。
見た目は専用ナイフの方が格好いいかもしれませんが、私は軽さと実用性を優先しています。
使用後の刃物は洗浄し、乾かして保管します。
イワナへ塩を振る方法
下処理をしたイワナへ塩を振ります。
私は、魚の上から高い位置で塩を振り、全体へまんべんなく付くようにしています。
農林水産省が紹介するイワナの塩焼きでも、約30cmの高さから両面へ塩を振る方法が掲載されています。
身の部分は、表面へ薄く広がる程度で十分です。
私は腹の中へ塩を付けていません。
塩が身へ多く付きすぎた場合は、食べる前に指でその部分を軽く弾くようにたたくと、余分な塩を落とせます。
ヒレと尾には塩を多めに付ける
身へ振る塩とは別に、ヒレと尾には直接たっぷり塩を付けます。
ヒレや尾は薄いため、身よりも先に焦げやすい部分です。
塩を山盛りに付けておくと焦げにくくなり、焼き上がったときの姿もきれいに残ります。
ヒレや尾を食べるわけではありません。
それでも、尾やヒレが形を保っていると、魚が泳いでいるように見え、塩焼きらしい見栄えになります。
味だけを考えれば必須ではありませんが、私は焼き上がりの姿も楽しみたいので、多めに塩を付けています。
串は真っすぐ刺さず、背骨をまたぐように打つ
網へ置いて焼く場合は、串の打ち方をそれほど気にする必要はありません。
しかし、串を持って炭火や焚き火で焼く場合は、打ち方が重要です。
串は魚の口から入れ、尾の方向へ抜きます。
このとき、魚の中心へ真っすぐ通すだけだと、魚の重みで串の周りをくるくる回ってしまいます。
焼きたい面を火へ向けても、魚が勝手に回転すると焼きにくくなります。
私は、串が背骨の左右をまたぐように、魚の体を波打たせながら刺しています。
安定しにくい場合は、2本の串を交差させて打つこともあります。
魚を持ち上げたときに回転せず、狙った面を火へ向けられれば成功です。
魚の体が少し波打つため、焼き上がりも、真っすぐな魚より泳いでいるように見えます。
自宅ではブロックと炭を使って焼く
自宅では、デッキにコンクリートブロックを組み、炭を入れてイワナを焼くことがあります。

炭火や焚き火は、家庭用コンロと違って火力が一定ではありません。
- 炭の量
- 魚と火の距離
- 風の強さ
- 魚の大きさ
- 魚に残っている水分
によって焼き時間が変わります。
そのため私は、何分焼けば完成と決めていません。
魚の状態を見ながら、炭を動かしたり、魚を火から離したり、向きを変えたりします。
これも炭火焼きの楽しさです。
焼き時間は決めず、魚から落ちる水分を見る
焼き始めると、魚から水分や脂が火の上へ落ちます。
焼き進むにつれて、落ちる水分が少なくなってきます。
私はこれを、中まで火が通ってきた目安の一つにしています。
ただし、火が強すぎると、中まで焼ける前に表面だけ真っ黒になります。
焦げ始めたら、魚を火から離す、炭を動かす、焼く面を変えるなどして調整します。
完成を確認するときは、腹の奥まで生っぽさが残っていないことも確認します。
農林水産省も、魚は中心まで十分に加熱し、骨から身が容易にはがれることや、刺した部分から透明な汁が出ることを焼き上がりの目安として紹介しています。
山では長い枝を串にして焚き火で焼くこともある
山へ泊まり、何日も釣りをするときは、焚き火でイワナを焼くこともあります。

この場合は、金属製の串ではなく、現地の長い枝を削って串にすることがあります。
焚き火は火力が強いため、短い枝では手元まで熱くなり、枝自体が燃えることがあります。
私は、1m以上の長い枝を選びます。
さらに、途中に小さな枝分かれが残っている枝が便利です。
魚は焼けてくると身が柔らかくなり、真っすぐな枝では少しずつ下へずれて、火の中へ落ちることがあります。
枝分かれした部分をストッパーとして使えば、身が柔らかくなっても魚が落ちにくくなります。
焚き火が禁止されている場所では行わず、許可された場所でのみ行います。
源流で泊まりながら釣る場合は、焚き火用品だけでなく、ロープやバーナー、防水用品なども必要になります。2泊3日の釣行で実際に持っていった装備と、持っていかず後悔した物はこちらの記事でまとめています。「源流釣りの持ち物|2泊3日テント泊で役立った装備・忘れて後悔した4つ」
焚き火では遠火でじっくり焼く
焚き火の炎へ魚を近づけすぎると、表面だけがすぐに焦げます。
私は、炎へ直接当てるのではなく、少し離れた場所から強い熱を当てて焼きます。
いわゆる、遠火でじっくり焼く方法です。
焚き火は炭火よりも煙が多いため、魚へほのかな燻製のような香りも付きます。
薪の状態や風によって火力が変わるため、つきっきりで魚を見ながら焼きます。
効率だけを考えれば面倒な作業です。
しかし、渓流のそばで火を眺め、魚の向きを変えながら焼き上がりを待つ時間も、私にとっては釣りの一部です。
焼いたイワナの頭や骨は食べる?
私は、塩焼きにしたイワナの頭や骨まで食べることはありません。
身を食べた後は、そのまま捨てることが多いです。
ただし、何匹分かの頭や骨をまとめてよく煮込むと、魚のだしが出ます。
塩で味を調えた汁物にしてもいいですし、味噌を入れてもおいしく食べられます。
毎回ではありませんが、魚を多く焼いたときに作ることがあります。
実際に釣ったイワナだから塩焼きが特別になる
イワナの塩焼きは、料理だけを見ればシンプルです。
内臓を取り、塩を振り、串へ刺して焼く。
しかし、自分で釣ったイワナの場合は、その前に長い物語があります。
早朝に家を出る。
渓流を歩く。
岩や滝を越える。
ミミズを流し、イワナを釣る。
魚を締め、冷やし、内臓を処理して持ち帰る。
そして、炭を起こして焼く。
釣るところから食べるところまで自分で行うため、単なる一品料理ではありません。
自分が過ごした一日そのものを食べているような感覚があります。
庭で捕ったミミズを使って実際にイワナを釣った方法は、別記事の「渓流釣りでミミズは釣れる?」で紹介しています。
釣れた魚がイワナかヤマメか分からない場合は、「イワナとヤマメの違い」で、実際に釣った写真を比較しています。
釣ったイワナの塩焼きに関するよくある質問
イワナの塩焼きは何分焼けばいい?
炭火や焚き火は火力が一定ではないため、一律の時間では決められません。
魚から落ちる水分が少なくなり、腹の奥まで火が通っていることを確認します。
表面だけが焦げる場合は、魚を火から離して調整します。
イワナの腹の中にも塩を振る?
私は腹の中へ塩を付けていません。
身の表面へ高い位置から振り、焦げやすい尾とヒレへ多めに直接付けています。
イワナは釣れたまま魚籠へ入れてよい?
私は、できるだけ早く締めてから魚籠へ入れます。
気温が高い時期は保冷剤を入れ、魚の温度が上がらないようにしています。
イワナの串が回転して焼きにくいときは?
串を真っすぐ通すのではなく、背骨をまたぐように波打たせて刺します。
安定しない場合は、2本の串を交差させる方法もあります。
天然のイワナは生でも食べられる?
この記事で扱っている天然イワナは、必ず中心まで加熱して食べています。
淡水魚には寄生虫がいる可能性があるため、新鮮に見えても生食は勧めません。
まとめ|イワナの塩焼きは締め方・冷却・串打ちで決まる
釣ったイワナを塩焼きにするとき、私が大切にしているのは次の点です。
- 釣れたらすぐに締める
- 気温が高い時期は魚籠へ保冷剤を入れる
- エラ・内臓・血合いを取り除いて持ち帰る
- 高い位置から全体へ塩を振る
- ヒレと尾には焦げ防止の塩を多めに付ける
- 串は背骨をまたぐように波打たせる
- 炭火や焚き火では時間を固定せず、魚の状態を見る
- 表面だけでなく中心までしっかり火を通す
難しい調味料や特別な道具は必要ありません。
私が使っているのは、安い魚籠、小型の保冷剤、100円ショップのカッター、塩、串、炭や薪です。
大切なのは、釣れた魚を傷ませず、安全に持ち帰り、火の状態を見ながら丁寧に焼くことです。
自分で釣ったイワナを炭火で焼いて食べる時間は、渓流釣りの最後を締めくくる、最高の楽しみです。