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アライテント「エアライズ」を約30年使ったレビュー|源流釣りで分かった耐久性と注意点

アライテントの「エアライズ」を使い始めて、約30年になります。

登山だけでなく、荷物を背負って長時間歩く源流釣りでも使ってきました。さすがに新品同様ではありません。近年はシームテープが大きく剥がれ、自分で補修する必要もありました。

それでも、補修後は再び雨の中で使える状態になっています。

先に結論を書くと、エアライズは「何もしなくても30年使えるテント」ではありません。しかし、適切に乾燥・保管し、劣化した部分を補修しながら使う前提なら、長く付き合える山岳テントだと感じています。

この記事では、約30年使ったからこそ分かった長所と弱点を、実際の雨天テストの結果も含めて紹介します。

この記事で扱う個体について
私が使っているのは約30年前に購入した旧型です。現在販売されているエアライズとは、フレームや細部の仕様が異なります。現行品の数値はアライテント公式サイトの情報を別欄に記載しました。

約30年使用しているアライテントのエアライズ
約30年使用しているエアライズ。雨天テスト後に撮影

結論:軽さだけでなく「補修しながら長く使える」ことが強み

約30年使って感じたエアライズの長所は、次の3点です。

  1. 山や源流へ持っていける重量と収納性
  2. 長年使っても本体と構造が致命的に壊れなかったこと
  3. 劣化箇所を把握し、部分的に補修しながら使えること

一方で、古いテントを使い続けるなら経年劣化の確認は欠かせません。特に注意したいのは、縫い目を防水するシームテープです。

私の個体もシームテープが広範囲で剥がれました。補修には約4時間かかり、その後の雨天テストでは「補修した場所は浸水せず、未補修部分からは漏れた」という分かりやすい結果になりました。

長持ちしたという実績だけを見て、古いテントを点検せず山へ持ち込むのは危険です。長寿命は、状態確認と手入れを続けた結果だと考えたほうがよいでしょう。

約30年使って分かったエアライズのよいところ

1.長時間歩く釣行でも持ち運べる

源流釣りでは、テントだけを運ぶわけではありません。釣具、食料、寝具、雨具、安全装備も背負います。

私が2泊3日の源流釣りで背負った装備は、合計11.3kgでした。初日は約7時間歩き、2日目は釣りと移動で約10時間、3日目も約7時間かけて戻っています。

このような行程では、テントが大きく重いほど負担になります。エアライズは山岳用のダブルウォールテントとして、重量・収納性・居住性のバランスが取りやすいと感じています。

実際の装備重量と持ち物は、次の記事で一覧にしています。

源流釣り2泊3日の装備一覧|総重量11.3kgの中身

源流のテン場に設営したエアライズ
2泊3日の源流釣りで実際に設営したテント

2.単純な構造で設営しやすい

エアライズは、2本のフレームをスリーブに通して本体を立ち上げ、フライシートをかぶせる基本的な構造です。

長年使っている道具は、暗くなる前や疲れている場面でも迷いにくいことが大きな利点です。源流では平らで広い場所を自由に選べるとは限らないため、設営作業が複雑でないことは安心につながります。

ただし、簡単だから適当に張ってよいわけではありません。増水の恐れがある場所や落石・崩落の危険がある場所を避け、水はけのよい平坦地を選ぶことが前提です。フレームは接続部が完全に差し込まれているか確認し、スリーブへは引かずに押し込むのが公式の手順です。

3.致命的な破損がなければ手入れして使い続けられる

約30年という期間だけを見ると、頑丈さばかりに目が向きます。しかし、実際には消耗箇所が何もなかったわけではありません。

私の個体で目立ったのはシームテープの剥がれです。それでも、本体そのものをすぐ廃棄せず、劣化した部分を剥がして貼り直すことで延命できました。

「修理できる範囲」と「買い替えるべき状態」を見極める必要はありますが、手を入れながら使い続けられることは、長期使用では大きな価値です。

30年使えば劣化する。特にシームテープは要確認

剥がれたテープは防水性を失う

シームテープは、テントの縫い目から雨水が入るのを防ぐためのものです。古くなると浮き、剥がれ、べたつきなどが起こります。

私のエアライズではテープの剥がれが広範囲に進んでいました。この状態のまま雨の山中で使えば、縫い目から水が入る可能性があります。

出発直前に気づいても、きれいに補修して十分に接着を確認する時間が取れません。長期保管後は、晴れた日に一度設営し、少なくとも次を確認したほうが安全です。

  • シームテープの浮き、剥がれ、ひび割れ
  • 生地のべたつきや異臭
  • フライシートと床の傷、穴、変色
  • フレームの曲がり、亀裂、接続不良
  • ファスナーと張り綱の状態

部分補修には約4時間かかった

今回、剥がれたシームテープを除去し、新しいテープを貼る部分補修を行いました。作業時間は約4時間です。

古いテープは、浮いたところだけを雑に重ね貼りすると仕上がりが安定しません。可能な範囲で劣化した部分を取り除き、生地を傷めない温度と圧力を確認しながら進めました。

補修手順、使った道具、失敗しやすい点は別記事にまとめています。

テントのシームテープを自分で補修した方法|古いテープの剥がし方から雨天テストまで

約30年使用して剥がれたエアライズのシームテープ
補修前。経年劣化でシームテープが大きく剥がれていた
貼り直したエアライズのシームテープ
古いテープを除去して新しいシームテープを圧着した状態

7時間の雨天テストで分かったこと

補修しただけでは、本当に雨を防げるか判断できません。そこで2026年8月14日、実際にテントを設営して雨天テストを行いました。

  • テスト時間:約7時間
  • 総降水量:14.4mm
  • 補修した箇所:雨水の侵入なし
  • 補修していない箇所:漏水あり
  • テスト後の補修箇所:目視できる再剥離なし

結果は、補修した部分では浸水を確認せず、未補修部分では漏れが出ました。

これは「一度補修すればテント全体が完全防水になる」という意味ではありません。むしろ、一部だけ直しても、残った劣化箇所が弱点になることを示す結果です。

今回のテストで補修の効果は確認できましたが、実際の山では雨量、風、設営場所、地面からの水分など条件が変わります。次回の源流釣行でも状態を確認し、実地結果をこの記事へ追記します。

7時間の雨天テストを行ったエアライズ
約7時間、総降水量14.4mmの雨に当てて補修効果を確認
未補修部分から浸水したエアライズ内部
未補修部分では漏水を確認。部分補修だけでは残った劣化箇所が弱点になる

約30年前の個体と現行エアライズは同じではない

購入を検討する場合、私の旧型をそのまま現行品の仕様だと思わないでください。

アライテント公式サイトによると、現行エアライズ1と2の主な仕様は次のとおりです(2026年8月14日確認)。価格や仕様は変更されることがあるため、購入時は必ず公式情報を再確認してください。

項目 エアライズ1 エアライズ2
使用人数 1人用(最大2人) 2人用(最大3人)
重量 1,360g 1,550g
設営時サイズ 間口100×奥行205×高さ100cm 間口130×奥行210×高さ105cm
収納時本体 29×直径14cm 30×直径15cm
フレーム収納長 38cm 38cm
税込価格 53,900円 60,500円

重量は本体・フレーム・フライシートの合計です。公式サイトでは、付属するペグと張り綱が約220gと案内されています。

また、現行品は2015年以降採用のDACフェザーライトフレームです。古いモデルは製造時期によってフレームが異なり、補修部品の在庫が終了している世代もあります。中古品を買う場合は、単に「エアライズ」と書かれているだけで判断せず、製造時期、フレーム、シート、フライの状態を確認すべきです。

1993年以前製造のエアライズ1は、現行のDXフライを取り付けられないと公式サイトに明記されています。古い本体へ現行オプションを流用する場合も、互換性の確認が必要です。

アライテント公式:エアライズ・シリーズ

アライテント公式:ペグ・テントアクセサリー(フレームの変遷)

エアライズが向いている人、向かない人

向いている人

  • 徒歩で山や源流へ入り、重量と収納性を重視する人
  • ダブルウォールの山岳テントを探している人
  • 使用後の乾燥、点検、必要な補修を続けられる人
  • 流行よりも、長く使える定番品を選びたい人

向かない人

  • オートキャンプ中心で、広い室内や大きな前室を最優先する人
  • メンテナンスをせず長期間しまったままにする人
  • 古い中古品でも、現行部品が必ず使えると思っている人
  • 軽さだけを追求し、用途や耐候性とのバランスを考えない人

私は源流釣りで使うため、持ち運びやすさと、山中で迷いにくい構造を評価しています。ただし、使い方が違えば最適なテントも変わります。

現行エアライズを選ぶ前に確認したいこと

現行品を購入するなら、人数表記だけで決めず、次の点を確認すると失敗しにくくなります。

  1. 実際に寝る人数と荷物を置く余裕
  2. 本体重量に加えて、ペグ・張り綱・グランドシートなどを含めた総重量
  3. 雨天時に必要な前室の広さ
  4. 使用季節と予定する標高・天候
  5. 補修部品やオプションの互換性

1人で荷物を減らしたいならエアライズ1、2人使用や荷物の余裕を重視するならエアライズ2が比較候補になります。ただし「最大人数」は余裕のある定員とは限りません。実物の広さや自分の装備量も考えて選ぶのが安全です。

価格と在庫は変動するため、購入前に販売ページと公式仕様を照合してください。

現行エアライズを購入候補にするなら

30年前の個体とは素材や仕様が異なるため、購入時は現行モデルの商品情報と在庫を確認してください。

※リンク先の価格・在庫・仕様は変更される場合があります。

シームテープの剥がれを補修する場合

私が実際に行った補修手順と雨天テスト結果を確認してから、必要な長さと幅のテープを選んでください。

※補修前に生地との相性とメーカーの注意事項を確認してください。

よくある質問

エアライズは本当に30年使えますか?

私の個体は約30年使っていますが、すべての個体が同じ年数使えるとは言えません。使用頻度、紫外線、濡れたままの放置、保管温度などで劣化速度は変わります。年数よりも、使用前の現物確認を優先してください。

シームテープが剥がれたら買い替えですか?

シームテープだけの劣化で、生地やコーティングに大きな問題がなければ補修できる場合があります。一方、生地全体のべたつき、広範囲のコーティング剥離、裂け、フレームの重大な損傷がある場合は、無理に使わずメーカーや専門店へ相談したほうが安全です。

古いエアライズに現行のフライやフレームは使えますか?

製造時期によって仕様が違うため、一律には言えません。特に1993年以前製造のエアライズ1は現行DXフライを装着できず、旧世代フレームには在庫終了のものもあります。型や年代が分からない場合は、写真と現物情報をそろえてメーカーへ確認してください。

雨天テストをすれば山でも安全ですか?

雨天テストは漏水の有無を確認する材料になりますが、山での安全を保証するものではありません。強風、長時間の豪雨、増水、設営場所など、テストと異なる条件を考える必要があります。

まとめ:30年使えたことより、30年後も点検して使うことが重要

エアライズを約30年使ってきて感じるのは、単に丈夫だったということだけではありません。

  • 源流まで背負える重量と収納性
  • 疲れた場面でも扱いやすい基本構造
  • 劣化を発見し、補修しながら使い続けられること

これらが、長く使えた理由です。

一方で、シームテープは実際に剥がれました。部分補修には約4時間かかり、7時間・総降水量14.4mmの雨天テストでは、補修部は浸水せず、未補修部では漏水しました。

古い道具への愛着と、安全に使える状態かどうかは別問題です。毎回点検し、直せる場所は直し、難しい状態なら買い替える。その判断を続けることが、山道具を長く使ううえで一番大切だと思います。

次の源流釣行でもこのエアライズを使用し、雨や結露、設営・撤収のしやすさを改めて確認する予定です。実地で分かったことは追記します。