公務員を退職した後の健康保険は、共済組合の任意継続と国民健康保険のどちらが安いのでしょうか。
私は2026年3月、55歳で33年間勤めた公務員を早期退職しました。妻は同年齢で、夫婦2人暮らしです。
退職してから慌てて調べたのではありません。退職の1年以上前に市役所へ行き、所得が変わる複数のケースについて、夫婦2人分の国民健康保険料を試算してもらいました。
その結果、退職直後は国保より任意継続のほうが年160,980円安いと判断し、任意継続を選びました。ただし、所得が下がった後は国保のほうが大幅に安くなる見込みです。
この記事では、役所で受け取った3枚の見込額計算書と、実際に支払った任意継続掛金を使って比較します。
結論:退職直後は任意継続、所得が下がった後は国保を再試算する
わが家の試算結果は次のとおりです。
| 比較したケース | 夫婦2人の年額 | 任意継続との差 |
|---|---|---|
| 共済組合の任意継続 | 535,920円 | 基準 |
| 退職直後を想定した国保 | 696,900円 | 国保が160,980円高い |
| 所得低下後を想定した国保 | 173,800円 | 国保が362,120円安い |
| さらに所得が低い場合の国保 | 148,500円 | 国保が387,420円安い |
この数字を見ると、「任意継続と国保のどちらが得か」に一つの答えはありません。前年所得が高く残る退職直後と、給与収入がなくなった後では結果が逆転するからです。
私の場合は、1年目に任意継続を選び、2年目以降は最新の国保料を確認して切り替えを判断する方法が合理的でした。
公務員を早期退職した前後の手続き全体は、55歳の公務員が早期退職前後にした手続きにまとめています。
令和6年に退職後の国保を3パターン試算した
3枚の国民健康保険料見込額計算書は、いずれも令和6年12月19日に市役所で作成してもらったものです。私は実際に退職する2026年3月より、1年以上前から準備していました。
計算書の印字は令和7年度ですが、将来の年度と所得を想定して試算してもらったため、資料には赤字で年度を書き分けています。したがって、以下の金額は当時の料率を使った見込額であり、将来の確定保険料ではありません。
退職直後を想定した国保は年696,900円
退職直後の高い前年所得が反映されるケースでは、夫婦2人の国保は年696,900円という試算でした。
- 医療分:428,500円
- 後期高齢者支援金分:132,700円
- 介護分:135,700円
- 合計:696,900円
月平均にすると58,075円です。退職して給与がなくなっても、国保の所得割は原則として前年所得をもとに計算されるため、退職直後からすぐ安くなるとは限りません。
所得が下がった後の国保は年173,800円
赤字で令和9年と書き込まれた計算書では、夫婦2人の国保は年173,800円でした。
- 医療分:106,600円
- 後期高齢者支援金分:32,400円
- 介護分:34,800円
- 合計:173,800円
この試算では、均等割と平等割に2割軽減が反映されています。年535,920円の任意継続と比べると、国保のほうが年362,120円安くなる計算です。
さらに所得が低いケースは年148,500円
もう一つの低所得ケースでは、夫婦2人で年148,500円という試算でした。
- 医療分:91,100円
- 後期高齢者支援金分:27,500円
- 介護分:29,900円
- 合計:148,500円
任意継続との差は年387,420円です。所得が下がった後まで任意継続を続けると、国保より負担が大きくなる可能性が見えてきました。
実際の任意継続掛金は年535,920円だった
私は2026年2月に、加入していた共済組合へ任意継続を申し込みました。2月末に1年分535,920円を前納し、退職翌日の4月1日から任意継続組合員になりました。
妻は私の被扶養者です。任意継続では被扶養者である妻の分が別に加算されなかったのに対し、国保には会社員や共済組合と同じ扶養の仕組みがなく、夫婦それぞれに均等割などがかかります。
公立学校共済組合の案内によると、任意継続組合員は、一定の要件を満たして期限内に申し出ることで、退職後最長2年間、在職中とほぼ同様の短期給付を受けられます。
私が退職1年目に任意継続を選んだ3つの理由
1.国保より年160,980円安かった
最大の理由は金額です。
- 任意継続:535,920円
- 退職直後の国保見込み:696,900円
- 差額:160,980円
月平均では、任意継続が44,660円、国保が58,075円です。差は月13,415円になりました。
2.妻を被扶養者として継続できた
夫婦2人で比べる場合、扶養の扱いは重要です。国保は世帯単位で請求されますが、加入者ごとの均等割があり、妻の分も保険料計算に含まれます。
一方、私の任意継続では妻を引き続き被扶養者にできました。単身者の場合と、配偶者を扶養している場合では、比較結果が変わる可能性があります。
3.2年目に国保へ切り替える選択肢を残せた
任意継続は必ず2年間続けなければならない制度ではありません。現在は本人の申し出による途中脱退が可能で、受理された月の翌月1日から資格を喪失する扱いです。手続きは加入先によって確認が必要です。
公立学校共済組合の支部案内でも、退職後1年目は任意継続、2年目から国保に加入する選択肢が紹介されています。詳しくは任意継続組合員の掛金額についてで確認できます。
2年間の保険料を比べると切り替え時期が見える
1年目だけでなく、2年間の合計でも比べてみます。任意継続の年額が変わらず、2年目の国保が年173,800円になったと仮定した単純計算です。
| 加入方法 | 1年目 | 2年目 | 2年合計 |
|---|---|---|---|
| 任意継続を2年間 | 535,920円 | 535,920円 | 1,071,840円 |
| 1年目任意継続→2年目国保 | 535,920円 | 173,800円 | 709,720円 |
| 国保を2年間 | 696,900円 | 173,800円 | 870,700円 |
この試算では、1年目を任意継続、2年目を国保にすると、任意継続を2年間続けるより362,120円安くなります。
ただし、これは令和6年に作成した見込額を使った比較です。国保の料率や軽減判定、世帯所得は変わるため、私は切り替える前に改めて市役所で試算してもらいます。
任意継続と国保を比較するときの確認項目
退職前に確認しておきたいのは、次の5点です。
- 共済組合に任意継続の月額・年額を試算してもらう
- 市区町村に国保の見込額を試算してもらう
- 本人だけでなく、配偶者を含めた世帯全体で比べる
- 退職1年目と所得低下後の複数ケースを出してもらう
- 任意継続から国保へ切り替える期限と必要書類を確認する
市役所へ相談するときは、前年の源泉徴収票など所得が分かる資料に加え、退職する年の収入見込みも用意すると話が早くなります。「今年はいくらか」だけでなく、「翌年度はいくらになるか」も聞くことが大切です。
注意:この実額がそのまま他の人に当てはまるわけではない
国保は、前年所得、加入人数、年齢、自治体の料率、所得軽減の対象になるかどうかで変わります。任意継続掛金も、退職時の標準報酬月額や加入していた共済組合・健康保険によって異なります。
また、今回の国保料は「見込額計算書」による試算であり、実際の納税通知書ではありません。私と同じ55歳夫婦でも、同じ金額になるとは限りません。
大切なのは「一般的にはどちらが得か」を調べることではなく、自分の加入先と居住地の役所に、同じ条件で金額を出してもらうことです。
まとめ
55歳で公務員を早期退職したわが家では、退職直後の国保は年696,900円、任意継続は年535,920円でした。そのため、1年目は年160,980円安い任意継続を選びました。
一方、所得が下がった後の国保は年173,800円、さらに低いケースでは年148,500円という試算です。将来も任意継続のほうが安いとは限りません。
私は令和6年のうちに3パターンを試算していたため、退職時に迷わず任意継続を選べました。2年目に入る前には最新の国保料を再確認し、安ければ切り替える予定です。
実際に退職後3か月で支払った税金、年金、健康保険などは、55歳でFIRE後3か月の支出は268万円で公開しています。