2021年3月、私はKindleで電子書籍を1冊出版しました。
本を書くことを仕事にしていたわけでも、有名なSNSアカウントを持っていたわけでもありません。
本文は約2万字。出版後はSNSやブログなどで特に宣伝もしませんでした。
それから5年以上。
結論から言うと、Kindle出版が大きな収入源になったわけではありません。
それでも私は、「条件が合えば、またやりたい」と思っています。
理由は、ブログとよく似ています。
自分が作ったものが残ること。そして、自分の考えを表現すること自体が楽しいからです。
この記事では、本のタイトルや内容、ペンネームなど個人の特定につながる情報は公開せず、無名の個人がKindle出版を1冊やってみてどう感じたのかをまとめます。
Kindle出版を始めた目的は「退職後の収入」だった
2021年当時の私は、将来仕事を辞めたら、何か別の方法で収入を得なければ生活できなくなると思っていました。
そのため、ブログを始めたり、ネットを使った収入源をいろいろ考えたりしていました。
そんなころに書いたメモが今も残っています。
やっぱりキンドル
ブログよりは売れる
ブログより早い
1円から入金してもらえる
なにより自分の商品
これは2021年当時の私のメモで、現在のKDP制度を説明したものではありません。
今読み返すと、最後の「なにより自分の商品」という部分が、当時の気持ちをよく表していると思います。
ブログの広告収入やアフィリエイトとは違い、自分で文章を書き、自分の商品として販売する。
そこに強く惹かれていました。
退職後に向けて、かなり前から収入や生活について考えていた経緯は、退職後の準備を6年以上前から始めていた実体験でもまとめています。
約2万字を書き、表紙だけ2,000円で外注した
本の内容は、それまで自分の中で考えていたことを文章にまとめたものです。
ゼロから大量に調べて作ったわけではありません。
もともと頭の中にあった考えを文章にしていったので、書くこと自体はそれほど苦痛ではありませんでした。
むしろ、自分の考えを文章で表現することが楽しかったのを覚えています。
文字数は約2万字だったと思います。
表紙だけは自分で作らず、ココナラで依頼しました。
費用は2,000円です。
つまり私の場合、Kindle出版のために実際に外へ支払った大きな費用は、この表紙代でした。

初めて自分の本が読者に届いたときは興奮した
今では個人が電子書籍を出すこと自体は珍しくありません。
しかし私は長い間、「本を出版する」というのは普通の個人にはかなり遠い世界の話だと思っていました。
出版社に認められなければ本にはならない。
自費出版なら大きなお金が必要になる。
そんなイメージを持っていました。
ところがKindleでは、自分で原稿を用意して電子書籍として出版できます。
実際に自分の本がAmazon上に並んだときは、それだけでもかなりうれしかったです。
そして、知らない誰かに実際に手に取ってもらえた。
そのときはかなり興奮しました。
「俺も本を出した人間だ。しかも誰かが読んでくれた」
そんな気分でした。
SNSやブログで宣伝はしなかった
出版後、私はSNSで積極的に告知したり、ブログから読者を送ったりといった宣伝をしませんでした。
出版したら、基本的にはそのままです。
当時は今より個人出版の競合も少なく、Amazon内で見つけてもらいやすかったという要因もあったと思います。
そのため、私の2021年の経験をそのまま「今も宣伝しなくても読まれる」と一般化するつもりはありません。
ただ、フォロワーも知名度もない個人が、自分の商品をインターネット上に置けたこと自体が、当時の私には新鮮でした。
大きく稼げなかったのに「失敗」とは思っていない
私はもともと収益を目的にKindle出版を始めました。
その意味では、これ1冊だけで退職後の生活費をまかなえるような結果にはなりませんでした。
だから、「Kindleを1冊出せば簡単に稼げる」と言うつもりはまったくありません。
それでも失敗だったとは思っていません。
理由の一つは、自分の商品を一つ作れたことです。
もう一つは、その経験そのものが自分に残ったことです。
原稿を書く。
表紙を発注する。
電子書籍として登録する。
自分の商品が世の中に出る。
この一連の流れを一度経験したことで、「個人でも自分の商品を作れる」という感覚が自分の中に残りました。

5年以上たった今もKindleに感じるのは「ストック性」
今の私は、何かに時間を使うなら、その場で全部消えてしまうものより、あとに何かが残る活動に魅力を感じる傾向があります。
Kindleもその一つです。
一度本を作れば、その作品は自分が書いていない時間にも存在しています。
もちろん、永遠に売れ続ける保証などありません。
情報が古くなれば更新が必要になることもあります。
それでも、1時間働いたら1時間分の対価をもらって終わる仕事とは性質が違います。
自分が作ったものが残る。
私はこの感覚が好きなのだと思います。
これは今のブログにもかなり似ている
2026年の今、私はKindleよりブログに多くの時間を使っています。
ブログも記事を書いた瞬間に結果がすべて決まるものではありません。
公開した記事が数か月後に検索されるかもしれない。
季節が来たらアクセスが増えるかもしれない。
過去の記事が自分の知らないところで読まれるかもしれない。
この「先でどう育つか分からない」感覚が、私には面白いのだと思います。
55歳で仕事を辞めた理由や、現在なぜブログを何時間も続けられるのかについては、55歳で公務員を早期退職した理由でも書いています。
もう1冊Kindle本を書くかと聞かれたら
答えは、
「条件が合えば、またやる」
です。
Kindle出版だけで大きく稼げると期待しているわけではありません。
それでも、自分の考えを文章にすることは楽しい。
そして、一度作ったものが自分の商品として残ることにも魅力を感じます。
書きたいテーマがあり、「これはブログの記事ではなく1冊にまとめた方がいい」と思える材料がたまったら、また出版する可能性はあります。
まとめ|1冊出したことで「自分の商品を作れる」と分かった
私がKindle本を1冊出版したのは2021年です。
約2万字を書き、表紙を2,000円で外注し、特別な宣伝はしませんでした。
当初の目的は、将来仕事を辞めた後の収入源を作ることでした。
結果として、Kindle1冊だけが大きな収入源になったわけではありません。
しかし、それ以上に残ったものがあります。
普通の個人でも、自分で考えたものを商品にして世の中へ出せる。
それを実際に経験できたことです。
そして5年以上たった今も、私は「条件が合えばまたやりたい」と思っています。
収益だけではなく、表現する楽しさと、自分が作ったものが残ること。
私にとってKindle出版の一番大きな価値は、そこだったのかもしれません。