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スイス・サースフェー旅行記|メトロ・アルピンと氷河トレイルを実体験で紹介

サースフェーの氷河トレイルを歩く様子

スイスの山岳リゾートといえば、マッターホルンを望むツェルマットが有名です。しかし、その近くにあるサースフェー(Saas-Fee)も、4,000m級の山々と氷河に囲まれた素晴らしい村です。

私たち夫婦は2013年7月24日から25日にサースフェーへ1泊し、アルペン・エクスプレスとメトロ・アルピンを乗り継いで、標高約3,500mのミッテルアラリンを訪れました。

その後、フェルスキンからチェスイェン氷河を通ってブリタニア小屋へ向かい、クラインアラリン、プラッティエンまで約3時間30分歩きました。

当時の私は、スニーカー、ストックなし、アイゼンなしという装備でした。雪面がつるつるに凍った場所では何度も滑り、崖沿いの区間では強い恐怖を感じました。無事に歩き切れましたが、現在同じ装備で歩くことはおすすめしません。

2026年現在、フェルスキンからブリタニア小屋へ向かう氷河トレイルは、公式案内で難易度T4の「難度の高い山岳ハイキング」に分類されています。専用の氷河装備は不要とされていますが、登山靴、ストック、確かな足取りが推奨されています。

この記事では、2013年に実際に歩いたルート、メトロ・アルピン、サースフェーの村とホテル、アクセス方法に加え、2026年の公式情報と安全上の注意点を紹介します。

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サースフェーで体験した氷河トレイルの全ルート

アルペン・エクスプレスとメトロ・アルピンで標高3,500mへ

サースフェーの村からアルペン・エクスプレスに乗ると、標高約3,000mのフェルスキンまで上がれます。さらに地下ケーブルカーのメトロ・アルピンへ乗り継げば、標高約3,500mのミッテルアラリンに到着します。短時間で一気に高度を上げるため、息苦しさや頭痛などの高山病の症状には注意が必要です。

2013年当時、サースフェーの村からアルペン・エクスプレス(Alpin Express)に乗り、標高約3,000mのフェルスキン(Felskinn)へ向かいました。約15分で一気に1,200mほど高度を上げます。

これがフェルスカンヌの駅。すぐ左側にメトロアルピンの駅が見えます。

フェルスカンヌの駅にあった案内図。ここから標高3,500mのアラリン(Allalin)まで登って景色を堪能します。

2013年の計画は、ミッテルアラリンから一度フェルスキンへ戻り、チェスイェン氷河を通ってブリタニア小屋へ向かい、クラインアラリン、プラッティエンまで歩くルートでした。当時はプラッティエンからゴンドラでサースフェーへ下山できましたが、2026年の夏季運行情報ではプラッティエンのゴンドラを確認できません。同じルートを歩く場合は、出発前に最新の運行状況と登山道の状態を必ず確認してください。

フェルスキンで、地下ケーブルカーのメトロ・アルピン(Metro Alpin)に乗り継ぎます。

メトロ・アルピンの乗り場へは、フェルスキン駅から岩山内部の通路を進みます。地下に造られた駅へ向かうだけでも、普通の観光鉄道とは違う特別な雰囲気があります。

メトロ・アルピンの乗り場も岩山の内部にあります。2013年当時は、フェルスキンから5分ほどで標高約3,500mのミッテルアラリンへ到着しました。

【2026年情報】フェルスキン方面とメトロ・アルピンは、2026年夏季も6月20日から10月31日まで運行予定です。ただし、時期によって始発・最終時刻が変わり、天候や整備によって運休する場合もあります。訪問前にサースフェー公式サイトで当日の運行状況を確認してください。

ミッテルアラリン駅を出ると、目の前に標高4,027mのアラリンホルン(Allalinhorn)がそびえています。山頂を目指す登山ルートもありますが、氷河上を歩く本格的な高所登山です。観光客が個人の判断で気軽に登れる山ではなく、登頂する場合は現地ガイドを利用し、必要な装備と高度順応を整える必要があります。

アラリンホルンの隣にはフェー氷河をはさんでアルプフーベル(Alphubel 4,206m)、テーシュホルン(Taschhorn 4,491m)、ドーム(Dom 4,545m)、ナーデルホルン(Nadelhorn 4,327m)と続きます。ドームとナーデルホルンの山頂は雲がかかっていますね。

ドームはスイス国内にある山としては最高峰です。(スイス最高峰4,634mのモンテローザはイタリアとの国境をまたいでいます)

世界最高地点の回転レストラン ミッテルアラリン(Mittel Allalin)

ミッテルアラリンは世界で最も高所にある回転レストランです。この円形の建物がゆっくりと回転して食事をしながら360度の景観を楽しめるようになっています。

中に入ってみるとこんな感じ。席に座っているだけで4,000m級の山々をすべて見ることができます。

周囲には、アラリンホルン登頂へ向かう本格的な装備の登山者もいました。私たちは展望を楽しむだけでしたが、4,000m峰への登頂は氷河歩行を伴う高所登山です。経験がない人は単独で氷河へ入らず、認定された現地ガイドを利用する必要があります。

フェルスキンからチェスイェン氷河を越えてブリタニア小屋へ

ミッテルアラリンの景色を楽しんだ後、メトロ・アルピンでフェルスキンへ戻り、ブリタニア小屋を目指して歩き始めました。2013年当時の私たちはスニーカー、ストックなし、アイゼンなしでしたが、現在振り返ると十分な装備ではありませんでした。

フェルスキンを出発すると、間もなく雪と氷の残るチェスイェン氷河の区間に入ります。ルートは示されていますが、足元や天候の状態は常に同じではありません。ブリタニア小屋の公式案内では、現在の氷河トレイルはT4の難度が高い山岳ハイキングに分類されています。

ワンちゃんは歩きたくないのかな?ご主人様が待ってますよ。

フェルスキンからブリタニア小屋へ向かうチェスイェン氷河トレイル

ドームの雲も晴れて最高の天気です。4,000m越えの山々をバックにケシエン氷河トレッキング。

頭の上を見ると氷河の断面がおおいかぶさってきています。

前方には3,367mのエッギナー(Egginer)のピーク。あのとがったてっぺんに登っている人もいます。

2013年当時はアイゼンを着けずに歩く人も多く、私たちも装着していませんでした。しかし、雪面がつるつるに凍った場所ではスニーカーが滑り、非常に苦労しました。現在の公式案内では専用の氷河装備は不要とされていますが、登山靴、ストック、確かな足取りが推奨されています。

サースフェーの氷河トレイルから望むブリタニア小屋

標高約3,030mに建つブリタニア小屋が見えてきました。小屋の向こうにあるクラインアラリンまで登る予定で、頂上付近には小さく人の姿も見えています。

2013年の私たちは、フェルスキンから約1時間でブリタニア小屋に到着しました。2026年の公式案内では、フェルスキンからの所要時間は約1時間15分です。小屋では多くの登山者がコーヒーやワインを楽しみながら休憩していました。

ブリタニア小屋からはアラリン氷河を眼前に見ることができます。

ではクラインアラリンに登ってきましょう。

クラインアラリンからイタリアをのぞむ

2013年当時、私たちはブリタニア小屋から15分ほど登り、クラインアラリンの頂上付近へ到着しました。振り返ると、ブリタニア小屋の向こうに、チェスイェン氷河を越えて歩いてくる人たちが小さく見えました。高所の地形やルートは変化するため、同じ場所へ向かう場合は現地の案内に従ってください。

ここまで登ると、ブリタニア小屋からは見えなかったマットマルク(Mattmark)のダムが姿を現します。その先にはスイスとイタリアの国境を形成する山々が続き、アルプスの地形の大きさを実感できました。ダムの向こう側のシュペヒホルン(Spechhorn 3,189m)山頂にイタリア国境があります。あの山の向こうはイタリアなんですね。

シュペヒホルンからマトマルクダム、アラリン氷河まで一望です。

クラインアラリンのピーク。眺めは最高ですが怖くて立てません。

【2013年の帰路】ブリタニア小屋からプラッティエンへ

ここからは帰りのゴンドラに向けて降りていきます。

クラインアラリンのピークから写真左手の雪原を下って写真右手の谷沿いの道に進みます。

その後はこんな雪のない斜面を歩くことになります。ここはザースアルマゲル(SaasAlmagell)の街への分岐点です。

ルート上にはサースフェー方面を示す案内がありましたが、その先は急斜面を横切る崖沿いの道でした。固定ロープを握って慎重に進む場所もあり、高所が苦手な私は手も足も震えるほど怖かったです。

ブリタニア小屋からプラッティエンへ向かう岩壁の登山道

メチャクチャ怖い。ロープを持つ手も足も震えます。

足元のはるか下にはサース・アルマゲルの村が小さく見えました。この区間は一般的な観光散策路ではありません。2013年当時の体験を参考にそのまま歩こうとせず、現在のルート状況を現地で確認してください。

難所を越えてしまえば眺めも天気も最高のトレッキングです。

こんなガレ場もこえていきます。

ここは最高の休憩ポイントですね。サースフェーとザースアルマゲルの街両方を見下ろせます。昼寝している人がメッチャ気持ちよさそう。

ようやくプラッティエンのゴンドラ乗り場へ到着しました。ブリタニア小屋から約2時間、フェルスキンからは合計約3時間30分の行程でした。雪面を下る区間で予想以上に時間がかかり、スニーカーでは滑りやすく苦労しました。2013年当時はここからゴンドラでサースフェーへ下山できましたが、現在同じ行程を計画する場合は運行状況と下山方法を必ず確認してください。

2013年当時はプラッティエンからゴンドラに乗り、サースフェーの村へ戻りました。長いトレッキングの後だったため、ゴンドラから村が近づいてくるのを見たときは心からほっとしました。

サースフェーの村と街歩き

サースフェーは、スイス南部ヴァレー州にある標高約1,800mの山岳リゾートです。周囲には、スイス国内だけに位置する山として最高峰のドーム(4,545m)をはじめ、4,000m級の山々と氷河が広がっています。

同じ地域には、マッターホルンで有名なツェルマットがあります。私たちが訪れた2013年7月のサースフェーは、ツェルマットより落ち着いた印象で、山と氷河を眺めながらゆっくり過ごすことができました。

通りに面したほとんどの建物には手入れの行き届いた花が飾られています。

まさにこれぞスイスアルプスというホテルが建ちならびます。画になりますねえ。

民家の小庭もきれいに手入れされていました。写真左端に写っているのは、村内で使われている小型の電気自動車です。サースフェーは一般車両の乗り入れが制限されたカーフリーリゾートで、訪問者は村の入口付近に車を置いて移動します。

ウィンドウフラワーボックス、オープンテラス、パラソル、アルプスの山とそろったこちらのカフェの雰囲気も最高ですね。

村のスポーツ施設の近くからも氷河を望めます。標高の高いミッテルアラリン周辺では、積雪や氷河の状態に応じて夏季スキーも行われています。2026年は7月18日から10月31日まで夏季スキーの運行予定が掲載されていますが、期間や時間は天候・雪の状態によって変わります。

朝6時のサースフェーの街。街にはまだ日が届きませんが4,000m越えの山々の稜線にはすでに太陽の光が注いでいます。

東を見るとまだ太陽は山の向こう側。まばゆい光だけが尾根から突き出ています。

Saas-Feeの日本語表記には「サースフェー」「ザースフェー」「サースフィー」などの違いがあります。この記事では、現在日本語の旅行情報で広く使われている「サースフェー」に統一します。

2013年に宿泊したHOTEL BURGENER

2013年7月24日、私たちはサースフェー中心部のHOTEL BURGENERに1泊しました。メインストリート沿いにあり、山岳交通の利用や村歩きに便利な立地でした。以下は、すべて2013年当時の宿泊体験です。

サースフェーで宿泊したHOTEL BURGENERの外観とテラス

こんなウッドデッキのテラスレストランがついた山小屋風のホテルです。

私たちもチェックインしてすぐにビールをいただいちゃいました。

室内にあるバーも暖炉を囲んだ山小屋風です。

部屋でベッドに寝そべると、なんと窓から4,545mのドームと氷河が見えるんです。

朝食もこんなにおしゃれ。2013年当時、夫婦2人・朝食付きで1泊合計約9,000円でした。現在の宿泊料金や営業状況は変わっている可能性があるため、予約前に最新情報を確認してください。

私たちの滞在時は午後になると雲が出やすかったため、山岳交通は朝早く利用しました。高所の天候は変わりやすいので、公式の天気予報と運行状況を確認し、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。

チューリッヒからサースフェーへの行き方

2013年の旅行では、チューリッヒ空港から鉄道でチューリッヒ中央駅へ移動し、ベルン・シュピーツ方面を経由してフィスプへ向かいました。フィスプ駅前からはポストバスに乗り換え、サースフェーまで移動しました。鉄道とバスの車窓から眺めるスイスの山々も、この旅の大きな楽しみの一つでした。

現在も、フィスプ駅からサースフェーへはポストバス511番が運行されています。通常はおおむね30分間隔ですが、季節や曜日によって時刻が変わるため、旅行前にSBB公式サイトまたはアプリで最新の乗り継ぎを確認してください。

スイスは鉄道が充実しているのでメインの交通手段は鉄道です。空港からチューリッヒ中央駅まで鉄道で10分程度です。

チューリッヒ中央駅

2013年は、チューリッヒ中央駅からフィスプまで鉄道で約2時間30分かかりました。途中、ベルンやシュピーツ方面を経由しながら、スイスらしい車窓を楽しめます。

2013年に利用した列車は2階建てで、車内は広く快適でした。自由席だったため、私たちは車窓を楽しめる2階席に座りました。

シュピーツ駅

列車は首都ベルンを経由し、湖と山に囲まれたシュピーツを通ってフィスプへ向かいました。

スイスらしい車窓を楽しみます。

フィスプ駅前のバスターミナル

約2時間30分でフィスプに到着しました。フィスプは、ツェルマット方面とサースフェー方面へ向かう交通の拠点です。駅前のバスターミナルからポストバスに乗り換え、サースフェーへ向かいました。

バスはこんな景色の中を進みます。

サースフェーのバスターミナル

2013年の旅行では、フィスプからサースフェーまでバスで約40分、チューリッヒからは乗り継ぎを含めて約3時間30分でした。現在の所要時間は利用する列車や待ち時間によって変わるため、SBBで最新の経路を確認してください。

バスターミナルからすでに氷河の先端が見えています。

2013年に利用したスイストラベルパス

2013年の旅行では、私たちは1週間以上スイスに滞在し、各地を鉄道やバスで移動しました。そのため、出発前にスイストラベルパスを購入して利用しました。サースフェーへの旅は、その周遊旅行の一部です。

現在のスイストラベルパスも、対象となる鉄道・バス・船の乗り放題や、多くの博物館への無料入場などが含まれています。ただし、山岳交通は路線によって無料・割引・対象外が異なるため、購入前に公式サイトで適用範囲を確認する必要があります。

2013年当時も、利用日数や座席等級によって複数の種類があり、私は約500ユーロ相当のパスを利用しました。料金や商品の種類は現在と異なるため、最新価格を確認し、予定している移動の通常運賃と比較して選ぶのがおすすめです。

2013年は英語での購入に不安があったため、私は出発前に日本の旅行会社「マックスビスタトラベル」を通して購入しました。これは当時の購入体験です。現在はSBB公式サイトからオンライン購入できるほか、スイス国内の有人窓口でも購入できます。

サースフェー宿泊者はSaastalCardも確認

サースフェー周辺の対象宿泊施設に泊まると、宿泊者向けのSaastalCardを利用できる場合があります。2026年夏の案内では、1泊目から地域内の多くの山岳交通を利用できますが、メトロ・アルピンは通常の無料対象に含まれません。メトロ・アルピンも利用できる「Metro Plus」は50スイスフランです。内容は変更される可能性があるため、宿泊施設と公式サイトで最新条件を確認してください。なお、私たちは2013年の旅行時にはSaastalCardを利用していません。ここで紹介しているのは2026年時点の公式情報です。

サースフェー旅行のまとめ

2013年の旅行では、英語が得意ではない私でも、駅の表示や基本的な英語を頼りにスイス国内を移動できました。治安面でも比較的安心して旅ができましたが、置き引きや盗難などへの一般的な注意は必要です。

スイスは宿泊費や食費、山岳交通の料金が高めですが、サースフェーでは標高3,500mの世界や氷河の景観など、費用以上に印象へ残る体験ができました。特に、フェルスキンからブリタニア小屋を経てプラッティエンへ歩いた一日は、今も忘れられない旅の思い出です。

この記事で紹介した氷河トレイルとプラッティエンへの帰路は、2013年7月に私たちが実際に歩いた記録です。当時はスニーカーで、ストックもアイゼンも持たずに歩き、雪や凍った場所で滑って苦労しました。この装備をまねすることはおすすめしません。

現在の氷河トレイルは難易度T4の山岳ルートとして案内されています。登山靴やストックなどを準備し、天候・積雪・山岳交通・ルート状況を公式情報で確認したうえで、安全を最優先に計画してください。

ヨーロッパの山歩きが好きな方は、北イタリア・ドロミティで体験したサッソルンゴ周辺のトレッキングと、ガイスラー山群を歩いた旅行記もあわせてご覧ください。

この旅の他の行き先は、まとめ記事「スイス・アルプス周遊旅行記まとめ」でも紹介しています。