シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台となった街ヴェローナに行ってきました。
ロミオやジュリエットの家が実際に残っているばかりでなく、ローマ時代の円形闘技場が現在も使われていて歴史やロマンをたっぷりと味わえる街でした。
世界遺産にも指定されているローマ時代から続く街ヴェローナの観光情報を紹介していきます。
ヴェローナ駅から二つの門をくぐる
ヴェローナを訪れる方法はたくさんありますが、最もポピュラーなのは鉄道でのアクセスだと思います。というわけでヴェローナの中央駅から旅を進めていきます。
ヴェローナの駅を出ると目の前にヌォーバ門(Porta Nuova)が建っています。この門が古代ヴェローナへの入り口であったそうです。今は周りの城壁が取り壊されて門だけが広場の真ん中に残っています。
この門にちなんでヴェローナ中央駅の駅名はヴェローナ・ポルタ・ヌォーバ駅となっています。ポルタがイタリア語で門を意味します。
ヴェローナの旧市街にはこの門からまっすぐにのびる大通りを進んでいきます。15分くらい歩くと次の門が見えてきます。距離にして1㎞くらいですがほとんどの観光客は歩いていきます。
ブラの大門(Porta de la Bra)です。この門の向こう側がヴェローナ観光の中心的スポットであるブラ広場になります。
ブラの大門の裏にはシェイクスピアの胸像があって観光客が集まっていました。ロミオとジュリエットの有名なセリフが書いてあるんですね。ロミオは本来の発音だとロメオとなるらしいです。
写真右側の茶色いボードは博物館の案内です。私は今回いきませんでしたが近代最古の博物館らしく次に来た時はぜひゆっくり見学したいと思いました。
ローマ時代から残る円形闘技場アレーナ
ブラの大門をくぐると目の前に広がるのがヴェローナ観光の中心的スポット、ブラ広場(Piazza Brà)です。
ヴェローナで最も広い広場であり、ローマ時代から残る円形闘技場のほか、100年以上前の宮殿、博物館、ヴェローナの市庁舎もここに集まって建てられています。
ブラ広場の周囲にはたくさんのレストランやカフェ、ショップがならんで大変にぎわっています。ヨーロッパのこういうオープンなテラス席ってなんかテンションが上がるんですよね。
円形闘技場アレーナ(Arena di Verona)は、ローマのコロッセオ、ナポリの円形劇場に次ぎイタリアで3番目の規模を誇っており保存状態はもっともよいとされています。
現在も劇場として現役で使われていて、私が訪問した時は劇の開演前で長い行列ができていました。ヨーロッパでもトップレベルの野外オペラが鑑賞できるんだそうです。ぜひゆっくり観てみたい。
エルベ広場
ロミオとジュリエットの家をめざしてアレーナから北東方向に路地を進みます。
左側の道の奥にそびえているのがヴェローナで最も高いランベルディの塔です。あの塔をめざして私の大好きな路地探索。ヨーロッパの中世の街並みの路地ってたまりません。
路地にもたくさんのショップがならび観光客がごった返しています。真夏のバケーションシーズンですからね。メチャクチャ活気があります。テンションが上がって寄りたいお店ばかりでなかなか進めません。
まっすぐ歩けば10分くらいでランベルディの塔が建つエルベ広場(Piazza delle Erbe)につきます。
エルベ広場もローマ時代からある広場でランベルディの塔(torre dei Lamberti)、フレスコ画の壁画が描かれた宮殿(Case dei Mazzanti)等が並び、多くのレストラン、カフェ、露店でにぎわっています。
お昼からワインやビールをたしなむ年配の方々も、な~んかオシャレなんですよねえ。真ん中のおじさんの後ろにいる女性のダブルメガネがイイ感じ。
ポロシャツとデニムでただジェラートを買ってるだけなのになんでカッコいいの???
私たちもビールやカプチーノで休憩です。この後お料理もいただいちゃいました。
ジュリエットの家
ジュリエットの家はエルベ広場から1分くらいです。広場の5軒先という感じ。
こちらが入り口。大きな看板があるわけではありませんが、たくさん人がいるのですぐわかります。通路の奥に見える中庭がロミオがジュリエットを訪ねてきた場所。
中庭に入ってみるとたくさんの人。中庭は学校の教室ぐらいの広さです。
正面の鉄格子の扉にはたくさんの南京錠がかけられています。恋人同士が永遠の愛を誓って付けていくらしいです。
その右側にジュリエットの銅像。右上にジュリエットがロミオを迎えたバルコニーがあります。
6ユーロの料金を払うとバルコニーにあがることができます。金髪の若い女性が立つといかにもそれっぽい。
ジュリエットの像はこんな写真を撮るために行列です。皆さん右胸を触っていくのでそこだけ磨かれてピカピカです。
ヴェローナの街中では日本の方は見かけませんでしたが、ここではさすがに日本のツアーの団体がいらっしゃいました。
ロミオの家
さて、一方のロミオの家ですが。残念ながら一般公開されていません。場所的にはジュリエットの家から5分もかからないところにあります。
こんな風に小さな案内板はありますが中には入れません。普通の家のように路地の途中にあって、人も集まっていないので思わず見逃してしまいがちです。
サンタ・アナスタシア教会
私たちが最後に訪れたのがサンタ・アナスタシア教会(Basilica di Santa Anastasia)です。ロミオの家から徒歩5分くらいの距離ですが途中の路地探索が楽しくて私はかなり時間がかかりました。
路地の先にサンタ・アナスタシア教会が見えてきました。
この教会はヴェローナで最も大きな教会です。外からだとあまりわかりませんが中に入ってみるとその壮大さに驚かされます。
大理石の柱で支えられた高い天井には見事なフレスコ画が描かれています。思わず息をのむ美しさです。
ちょうど結婚式が行われていたらしく参列者が教会の前に集まっていました。さすがイタリア、皆さんオシャレですねえ。
圧倒的にお得なヴェローナカード
いつもの節約旅行の私たちはヴェローナの観光スポットで入場料がかからないエリアしか観ませんでした(それでも十分楽しかったんですが・・・後悔もないわけではない)。しかし、ヴェローナを訪れるなら、ヴェローナカードはすっごくお得だと思います。
ヴェローナカードは24時間20ユーロでヴェローナのほとんどの入場料の必要なエリアに入れます。ちなみに48時間で25ユーロ。子供も同料金。
アレーナ、博物館、ランベルディの塔、ジュリエットの家、サンタ・アナスタシア教会と今回の記事で紹介したところはすべてOK。市内バスも乗り放題、私が観たかったオペラのチケットの割引もしてくれます。
アレーナは10ユーロ、ランベルディの塔が8ユーロ、ジュリエットの家が6ユーロなので3か所も行けばすぐに元が取れてしまいます。利用したほうが圧倒的にお得だと思います。
ブラ広場にある市庁舎の隣の観光案内所で購入できます。
ヴェローナへのアクセス
さて、ヴェローナはローマからだと北へ向かって400㎞以上あります。日本国内で考えると東京から大阪をこえて神戸より遠いくらいなんですよね。
高速鉄道でも片道3時間以上8,000円程度、ヴェローナ空港があるので飛行機も使えますが片道1時間以上12,000円程度。
いずれにしろローマからの日帰りは無理なので近くの都市に来た時によってみるとか、ヴェローナに宿泊することを旅に組み込んだ計画を立てる必要があります。
今回私は北イタリアに滞在していたので在来線で2時間くらいかけてのんびりヴェローナを訪れました。
こんな食堂車でワインやカプチーノをいただきながらのんびり列車旅もいいですよ。
ベネチアからだとヴェローナは120㎞。鉄道を使えば1時間ちょっとで着きます。料金も1,500円程度なので十分日帰りが可能です。
ミラノからだと鉄道で約2時間3,000円程度です。こちらも日帰りできますね。
このように北イタリアを訪れる機会があればそこに絡めて訪問するのがよさそうです。
ヴェローナ観光のまとめ
今回はイタリアアルプストレッキングの中日に日帰りでの訪問だったので、主な観光スポットだけの短時間の訪問になりましたがそれでも十分に感動して楽しめました。
ぜひ別の機会にこの街に宿泊してもっと広く深くゆったりとヴェローナを堪能したいと感じました。
ローマやフィレンツェ、ベネチアなどに比べると日本での知名度は高くないヴェローナですが旅の満足度が高い街です。この記事が少しでも皆様のヴェローナ訪問の参考になるとうれしいです。
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